梶浦由記プロデュースによる、劇場版「空の境界」主題歌プロジェクトとしてスタートし、デビューシングル『oblivious』(2008年)で鮮烈のデビューを飾った3人組女性ヴォーカルユニット「Kalafina」(カラフィナ)。
リリースするアルバム作品すべてがオリコンウィークリーチャートTop 10以内にチャートインし、2013年9月にリリースした4thアルバム『Consolation』は、オリコンアルバムウィークリーチャート3位を記録。2009年よりLive活動を本格化させ、2013年には全国9都市15公演を行い、約20,000人の動員を記録。ボストン、L.A、上海、香港、マレーシアなど海外でもライブを行い、多くの支持を得ています。
そんなKalafinaが7月16日に初のベストアルバム『THE BEST “Red”』『THE BEST “Blue”』を2枚同時にリリース。「空の境界」はもちろん、「魔法少女まどか☆マギカ」、「Fate/Zero」など大人気アニメ主題歌も多数収録され、Kalafinaがこれまで紡いできた世界を存分に味わえる2枚となっています。今回はKalafinaのWakanaさん、Keikoさん、Hikaruさんにインタビューを敢行。ベストアルバム発表への想いや、これからの活動についてお話を伺ってきました。
――今回初のベストアルバムが2枚同時に発表となりますが、今のタイミングでベストアルバムを出す事への想いを教えていただけますか?
Wakana:最初にお話を聞いた時はまだベストアルバムを出すのは早いんじゃないかと3人の中でも不安はありました。でも、これまで応援してくださっている方や、最近Kalafinaを知ってくださった方の為にも、たくさんのライブ活動や、4枚のアルバムを発表して走り続けてきたKalafinaの活動をまとめたいと思ったんですね。名刺代わりの2枚になって欲しいなと思っています。
Keiko:自分たちの活動や音楽の幅が、ライブ活動のおかげで広がっていったというのがあるので、この幅をどうやってKalafinaをあまり知らない方や、数曲しか聴いたことのない方に自己紹介すれば良いのかなと考えていたんですね。どの楽曲から聴けばいいか分からないという方もいらっしゃると思うので、こうしてまとめられた事がすごく嬉しいです。
Hikaru:ベストアルバムというと、もっと長く活動しているアーティストさんが出すイメージが私にはあったので、驚きはありました。でもKeikoが言っている様にまずはこれを聴いてくださいという2枚が出来た事が、出来上がってみて改めて嬉しく思っています。
――『Red』と『Blue』、それぞれ1枚で聴いても、通しで聴いてもKalafinaが歌ってきた曲達が物語の様に感じられました。選曲もかなり苦労したのではないですか?
Wakana:これまで70曲以上の曲を歌ってきたので、梶浦さんも選曲には悩まれたみたいなんですね。私たちも同じで、全ての曲それぞれに思い入れがあり、気持ちとしては全曲聴いて欲しいのですが、ベストなので、やはりシングルのタイアップ曲が中心になっています。ただそれ以外にもKalafinaの世界観を堪能して頂けるような選曲もあえて入れましたので、「こんな曲もやっているんだ!」と驚いていただけると嬉しいです。
Keiko:「Kalafinaってどんなジャンル?」って聴かれると、自分たちでも考えてしまうくらい色々な楽曲があって悩んでしまうんですね。そこで、1枚のアルバムを通じてKalafinaの世界観を体感して頂けるよう選曲しました。
ただどうしても1枚ではおさまりきれず2枚にわかれていますが、選曲のコンセプトは一緒で、時系列や楽曲の性質で分けるのではなく私たちの楽曲全体の幅や世界観の広さを色で表現した時に、「情熱的でエネルギーの象徴といえる」赤、「癒やしや人々を引きつける要素を持つ」青だと思ったので「Red」「Blue」と表現しました。
――毎回美しくて飾っておきたくなるアートワークが大好きなのですが、今回も赤と青のドレスを身にまとった写真が美しくて素敵ですね。
Wakana:これまでは主題歌を歌った作品のイメージに合ったアートワークにする事が多かったのですが、今回はKalafinaの女性らしさと強さを表現したいという想いから、ドレスを着させていただきました。
――こうして改めて見ると、本当に色々な作品の主題歌を務めていますが、個人的に思い入れのある作品を挙げるとするとどれですか?
Wakana:どれもすごく思い入れがあるのですが、強いて言うならばデビュー作となった「oblivious」です。
Keiko:「みんなのうた」で流していただいた「moonfesta〜ムーンフェスタ〜」は思い出深いですね。「みんなのうた」の映像を作る現場にお邪魔させていただいて、人形劇を作る過程を見学したのですが、歌詞を忠実に再現する為に一生懸命になっている皆さんを見て、すごく人のぬくもりを感じる現場だなと。「みんなのうた」は50年以上続く歴史ある音楽番組なので、長くやっていくという事はこういう事なんだなと強く思いましたね。
Hikaru:「魔法少女まどか☆マギカ」はたくさんの方がこの作品に衝撃を受けて愛しているんだなと伝わってきた作品でした。ライブ時に毎回アンケートをお願いするのですが、「Magia」以降「魔法少女まどか☆マギカで初めて知ってライブに来ました」とアンケートに書いて下さった方が多かったので、本当にすごい人気なんだなと実感しました。
――主題歌を務める作品は事前に読んだり、観てイメージを固めて歌うこともあるのでしょうか?
Hikaru:コミックや小説など原作がある物は事前に読みますし、オリジナル作品の場合は梶浦さんに作品の内容やイメージを聞く事もあります。情報が無いまま歌って、アニメが完成してから映像と一緒に観て「こういう作品だったんだ!」と思う時もあります。「魔法少女まどか☆マギカ」の時は絵コンテだけ見せていただいたので、あんなに可愛い絵なのにどうして「Magia」はこんなにダークな曲なのだろうと初めは驚きました。
――このベストアルバムの初回限定生産盤にはライブ映像特典も収録されていますが、Kalafinaと言えばライブがすごい! そんなファンの皆さんの声もよく聞きます。最近ではアジアなど海外でも活躍の幅を広げていらっしゃいますね。
Keiko:アジアのお客さんは、日本のアニメが大好きで、それが元で日本語も覚えましたという人が多く、皆さん一緒に歌って下さいます。ドイツの方は日本人と似ていてちょっとシャイであったりと、国それぞれでカラーがあるので、私たちもその国ごとの反応を楽しみにしていますね。でもやっぱりどの国でもアニメ作品は人気で、アニメの主題歌等の楽曲は、タイトルを言った瞬間大きな歓声があがりました。
Wakana:シンガポールでは「君が光に変えていく」という楽曲のイントロが流れた瞬間、ギャーッ!という歓声で、自分たちの声が聞こえないほどでした。
Hikaru:初めて行く国ではそういったダイレクトな反応が嬉しいですね。今年の5月に行かせて頂いた香港でも、Live最後にステージに残って挨拶をさせて頂いたのですが、その時にバックミュージックとしてかけていた「未来」を会場の皆さんが合唱してくださり感動しました。
Keiko:日本でもベストアルバムリリース後に、10月18日にグランキューブ大阪、11月1日に東京国際フォーラム ホールAで、来年は武道館でも2daysライブを行うので、お時間ある方是非遊びに来て頂ければと思います。
――私もステージを拝見する日を楽しみしています。今日はどうもありがとうございました。
プロフィール
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