Interview in Barks online:
https://twitter.com/ishikawachi_FC/status/514694342288867328
【BARKS】でアルバムの取材をして頂きました。とても中身の濃い内容になっております。とても充実した楽しい取材だったと智晶さんも。是非ご覧下さいませ。 石川智晶ページ→
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http://www.barks.jp/news/?id=1000108045
【インタビュー】石川智晶、細部に心宿る新作ミニアルバム完成「心がそう言ってるか否かで何事も決めてきた」
2014-09-23 19:25:00
2014年10月8日に新作ミニアルバム『私のココロはそう言ってない』をリリースする石川智晶。前作ミニアルバムから7ヶ月というスピードで送り出される本作には、自らの直感に忠実に動く彼女のこだわりが細部にまで張り巡らされている。深みのある歌詞と楽器遣い、またその制作スタイルなど、今回もスリリングで美しい石川智晶ワールドを探求する。
◆石川智晶 画像
■ここ2、3年の自分は、心がそう言ってるか否かというシンプルなところで何事も決めてきた
――1年でアルバム2枚とは、ずいぶんハイペースじゃありません?
石川智晶:『前夜』(2014年発売の前作アルバム)を出した時点で、もう“次は10月に出そう”って決めてましたからね。たぶん、自由度をアピールしたかったんだと思います。
――自由度とは?
石川智晶:自分のレーベルを持たないかぎり、普通は自分の好きなタイミングでリリースをするなんて不可能なんですよ。通常はある程度のスパンを置いて制作するもので、実際、今までは私も3年に1枚くらいのペースで出していたんですけど、それだと自分の中では既に終わったものになってしまってることが多いんですね。今の世の中のスピード的にも遅いし、もっとリアルタイムで自分の気持ちを形にしたい。じゃあ、自身のレーベルを立ち上げ今、それを実行に移そうと。ま、なんだかんだ言って、結局は自分がそうしたかっただけだと思います。ちょっと騒がしい感じを自分にも他者にも見せたかった。
――じゃあ、なぜ今作のタイトルが『私のココロはそう言ってない』なんでしょう? もし『私のココロはそう言っている』だったら、今のお話とピッタリ繋がって納得できるのに。
石川智晶:それは自分でも気づきました。ただ、『私のココロはそう言っている』だと普通すぎて私には響かないし、NOを言うことでYESを強調できることもあるじゃないですか。例えば“私、この人じゃない”と確認することで、逆に自分はどういう人を選ぶかがハッキリしてきたり。ま、そこまで私が考えていたのかわからないんですけれど、フッとその言葉が出てきたので、とりあえずアルバムのタイトルに決めてしまいました。そこから表題曲を作って制作を進めるうちに、タイアップも入ってきて……という流れですね。
――確かに表題曲は、とにかく「私のココロはそう言ってない」という文言をそのまま楽曲化したようなナンバーですよね。独特のコーラスワークを手始めに、ちょっと不思議な趣の中で、タイトルのフレーズがサビで繰り返されていますから。
石川智晶:ここ2、3年の自分が、まさにそうなんですよ。心がそう言ってるか否かというシンプルなところで何事も決めてきたので、人に言われてどうこうというのは絶対に無い。どんなに美味しい話があったとしても、自分の中にしっくり感がなければ一歩も動けないっていう、まぁ、そういう気性なんでしょうけど(笑)。だから“私のココロはそう言ってない”理由についてはくどくど触れたくなかったんです。そのフレーズだけがバシッと残る曲にしたかったので、サビ以外は別にいいというか。
――とはいえ、出だしのAメロは石川さんの思想を恐ろしく端的に表してません? 種を植えたら大きく木が育った。だけれど、葉が生い茂ったぶんだけ影ができてしまって、そこには種を植えても芽吹くことができないという。
石川智晶:そうなんです! 要するに、富も増えるけれど不安も増える。そういうことを全部ひっくるめて“私のココロはそう言って”なかったのに……ってことなんですよね。世の中って、そういうものじゃないですか。
――つまり、プラスがあれば必ずマイナスがある。でも、それって突き詰めてしまうと人間側の意欲が失われてしまうから、世の人々は無意識に目を背けているじゃないですか。それを躊躇なく書き表しているあたり、やっぱり石川さんって残酷だなぁと思うんですよ。
石川智晶:本当のリアルですよね。だから正直なところを言ってしまうと……音楽も含めて、私、あんまり面白くないんですよ。私にとっては出世とか、例えば素敵な人と結婚するとかってことも、さして意味が無い。そのぶんだけ影ができることがわかっているので、何があっても着地も無ければ、達成感も無いんです。でも、それとは真逆の思想も私にはあって、例えば2番ではピアニストが虚空で指を動かしているという非現実的な情景を描いているんですけど、そこで何かを語れないか? ということを追求しているという意味では、夢を見ているんですよね。醒めた目で俯瞰しているのとは対照的に、可能性を信じているんですよ。だから私は残酷ではないと思います!(笑)
――面白くない=ダメじゃないですもんね。面白くないからこそ、見える世界を提示しているだけ。
石川智晶:そうです。みんな私の曲を聴いて“石川さんは鬱だ”とか“鬱ソング”とか言いますけど、全く鬱ではない。普通に明るい人間ですし、むしろ母性は強いような気がしてますよ。だから“私のココロはそう言ってない”って、ハッキリ言えちゃうんですよね。そうやって私のスタンスにブレがないということ自体に、皆さんが安心感を持つという不思議な状態に今はなっています。実際に私が何を言って何をやっているのかは別にして、どこを切っても私であるということに対して吸いついてくるのは、逆に現代がブレやすい時代であることの表れでしょうね。
――2曲目の「北極星~ポラリス~」はTVアニメ「戦国BASARA Judge End」のエンディングテーマとして制作されたものですが、では、そういったブレのないスタンスと乱世を舞台にした作品のどこに接点を見出しました?
石川智晶:その次の「ティル・ナ・ノーグ」もそうなんですが、やはり“潔さ”でしょうね。今も昔も変わらない保守的な世の中で、やっぱりある種の現実を突きつけている。戦国の人たちって、みんな、北極星を見て自分の位置を確かめるじゃないですか。それって星だけじゃなく、人の世でも同じだと思うんですよ。例えば戦国時代だったら、御館様だったり君主を北極星として動いているわけで、現代でも家族、同僚、友達……そういった身近な相手を基準にして自分の位置を確認したり、“これは言わないほうがいいかな?”とか判断していたりする。星座図のように、そういう隠れた座標で支えられている部分が誰しもあるんじゃないか?ということを歌っているので、共感はしやすいでしょうね。
――曲自体も非常にキャッチーですもんね。続く「ティル・ナ・ノーグ」は篠笛をフィーチャーして作られた和モノ曲で、2015年1月11日に予定されているライブ<時代モノ艶歌~好機到来~>のテーマソングだとか。
石川智晶:これまでにアニメ、ゲーム、舞台と、いくつか『戦国BASARA』に関わるタイアップ曲を担当させていただく中で、いわゆる和楽器を演奏される方々とも親しくなってきたんですよ。そこで改めて和楽器の可能性というものに気づかされて、じゃあ、そちらをフィーチャーした楽曲を、石川智晶のもう一つの世界として広げていきたいという意志を表明したのがコレですね。来年は『戦国BASARA』の10周年でもありますし、和楽器というのは西洋の楽器と違って、余韻というところで非常に優れているんですよ。
――余韻?
石川智晶:日本のオカルト映画って、よく海外と違うって言うじゃないですか。ドカン!と来るんじゃなく、なんとなくゾワッとする、あの感じを和楽器自体が持っているんです。例えば、リコーダーとかフルートっていう洋物のエアリード楽器は“震え”というものが出なくて、少しずつ音を小さくしていくと一定値を超えたところでスッと音が消えちゃうんですね。でも篠笛とか尺八みたいな和楽器は、いわゆるビブラートみたいに最後まで音が残るんですよ。どこまで吹いても音が出るから、人間の感情グラデーションと上手くリンクして怖いし、美しいんです。今回も篠笛を吹いていただくときに“血の匂い”というイメージを出させていただいたら、“ピーッッ!”っていうイカレた感じを見事に出してくださって! それが日本人の持っている感情の奥行きであり、そうして感情の扉を開いたところにあるのが『戦国BASARA』なんですよね。そもそも『戦国BASARA』という作品が持つ独特の激しさや一種の達観――そういったものは石川智晶自身にも、すごくハマるんです。
――それが潔さに集約されるわけで、なのにタイトルは日本語ではなく、常若の国を意味する外来語というのが面白い。
石川智晶:「北極星~ポラリス~」にも“ウラノメトリア”っていうドイツの星座絵図の名前を入れたりね(笑)。あえてファンタジックな言葉を入れることで、ちょっと二次元の要素を出したいというのが、私ならではのこだわりというか。例えば着物を着てない家康が出てきたっていいし、言ってみれば昔の角川映画みたいな感じを出したかったんですよ。
――なるほど(笑)。
◆インタビュー続きへ
■簡単には泣けなくなってくるんですよ。だけど、経験が増えるぶん内面世界は広がって、奥行きが出てくるわけで。
―― 一転、4曲目の「何を泣くなんの涙」は本作唯一のバラードで、シンプルなピアノ伴奏と情緒たっぷりのメロディ、何より想像を掻き立てるタイトルが石川さんらしくてグッと来ました。
石川智晶:人間、歳を取れば取るほど経験値も耐性もついて、簡単には泣けなくなってくるんですよ。誰かが亡くなったからって、そんなにすぐには泣けない。だけど、経験が増えるぶん内面世界は広がって、奥行きが出てくるわけで。そこから何かのキッカケでポロッと零れる“理由なき涙”のほうが、どんどん多くなってくると思うんです。例えば1ヶ月前に投げかけられた言葉が、ふと新幹線で窓の外を眺めているときに“あれ、やっぱりキツかったなぁ”って響いてきたりする。でも、それが成長ってことなんですよね。訳のわからない感情をどれだけ取り込んで、感情豊かになっていけるか? その結果が“何の涙なんだろう?”っていう疑問に繋がってゆくわけで、そうやって簡単に泣けず、簡単に元気にもなれない人は、上手く気持ちを乗せられる曲じゃないかな。
――決して簡単=わかりやすくはないけれど、だからこそ深くて沁みる。そこが他のアーティストにはない、石川さんの独自性ですよね。ラストの「GIFT」も内容の解釈には迷うところですが、ただ、何かを伝えたいという熱量は感じられて。果たして、この曲では何を訴えたかったんでしょう?
石川智晶:本当の意味での“誠実さ”みたいなものですね。例えば花を摘むとして、それって花の根にとっては地上から引き離されることだから、全く迷惑な行為じゃないですか。けれども、その根にもぎ取る理由を告げたとしたら“じゃあ、いいよ”と許してくれるかもしれない。対象が花に限らず、人間ってそういった説明を怠っている面が多々あるんですよね。実は過酷なことをやっていながら、花のように何も言えない人たちがこの世界にはたくさんいる。だから弱き者を大事にしろと言いたいわけではなく、ただ、説明をして納得させることが誠実さなんだということを伝えたかったんです。
――わかります。同じ行為でも、その理由がわかっているか否かでは、受け止め方も大きく違いますから。
石川智晶:そう。説明をすれば、ある程度ちっちゃい子でも納得しますからね。だから私は人を褒めるときも、「ここが良かった」と具体的に話すんですよ。理由も告げない無責任な「良かった」じゃ納得してもらえないし、私が逆の立場なら“いっそ黙っててくれ!”と思ってしまう。そうやって説明することが愛情の証であり、本当の誠実さなんですよね。タイトルの「GIFT」が指しているのも、そういった細かい気遣いというか労力のことで、例えば赤ちゃんにとって生まれてきたこと自体はGIFTじゃない。むしろ生まれてきた以上は業を背負ってしまうけれど、白い木綿に包まれた瞬間だけは純粋に子供になれたという、そのことがGIFTなんだと。頭の3行で“授かった自分の名前を捨てたいと思ったことがある”という一種御法度な激白をしているのも、私からリスナーの皆さんに対するGIFTですし、そういった具体的な事柄や瞬間にこそ本当のGIFTがあるはずなんです。なのに、世の中みんな適当なんですよ!
――その真実をわかってほしいという想いの熱さがあるからこそ、この晴れやかでポップな楽曲に底知れぬ力強さとエネルギーが感じられるんですね。
石川智晶:要するに、私って細かいんですよ。細かい人間なわけじゃなく、細かい尺度で物を見ているタイプ。だからリアルを追求したがるんでしょうね。みんなそこまで見てないし、考えてないよ!っていうところまで、“実はさ”って囁きたくなってしまう。
――例えば“木が茂れば、そのぶん影ができるんだよ”とか。
石川智晶:そうそう(笑)。で、実際にはシンプルなものが良しとされてる世の中に、“ち、つまんねーな”と思ってる。だから“CDが売れた!”とか、簡単なところで幸せになっている人たちを見ると、すごく羨ましいんですよ! でも、私はソッチじゃないし、逆に物凄く細かい細工をしてる匠の技とかに惹かれるんですよね。“ここまで削ってんの!?”って。
――つまらない世界だからこそ、そうやって無意味かもしれないところに心血を注ぐという行為や心意気そのものに惹かれるんじゃありません?
石川智晶:その通りです! 自分の音楽活動もそういった細工に近いものがあって、制作しながら“これだなぁ”っていう嬉しさもあったり、苦々しい想いもあったり(笑)。結局、そこが活動を続けている理由なんですよね。わかってもらわなくても良いけれど、ただ、そうやって細かいところまで追求していくのが楽しい。だから、全てがつまんなくなったら終わるでしょうし、リリースしたらライブツアーをするっていうお決まりの流れも、私には気持ち悪いだけ。私のココロはそう言ってないんです。
――確かにお決まりの流れだったら、東京公演と大阪公演が3ヶ月以上も空いてたり、東京公演の翌日に時代モノ縛りの追加公演を唐突に決めたりしませんよ。
石川智晶:ま、好きにやるだけですね。ただ、私のライブって勢いだとか熱量は凄いみたいで、終わったときに皆さん、放心状態で椅子に凭れかかってる状態なんですよ。別に踊ったりもしないですし、座って観ていただいてるんですけど、やっぱりダイレクトに伝わるみたいで。歌も話も潔さの連続ですから、きっと圧倒される感があるんでしょうね。同時に“また行きたい”という声もたくさんいただいたんですが、半年スパンでアルバムを出したりとハシャぎすぎなんで、ファンの皆さんは“この後落ちるんじゃないか?”と不安がっているようなんです。実際、そういう危うさは私の中にあるので、次のリリースやライブはいつになるかわからないですよ(笑)。
取材・文●清水素子
「私のココロはそう言ってない」
石川智晶
ミニアルバム
『私のココロはそう言ってない』
2014年10月8日発売
DDCZ-1967 価格:2160円(税込)
<収録楽曲>
1.私のココロはそう言ってない
2.北極星~ポラリス~ simple Ver.(TVアニメ「戦国BASARA Judge End」エンディングテーマ)
3.ティル・ナ・ノーグ
4.何を泣くなんの涙
5.GIFT
■先行配信リリース
iTunes、レコチョク、Amazon、mora、music.jpにて楽曲配信リリース中
■石川智晶公演情報
<裏窓から みえるモノ2015~北極星~>
2015年1月10日(土)
AiiA THEATER TOKYO(渋谷)
16:30開場、17:30開演
料金;¥6,000(税込)、1drink別
プレイガイド
チケットぴあ 0570-02-9999 (P:236-743)
ローソンチケット 0570-084-003 (L:74197)
イープラス
問合:HOT STUFF PROMOTION TEL:03-5720-9999
<時代モノ艶歌~好機到来~>
2015年1月11日(日)
AiiA THEATER TOKYO(渋谷)
16:00開場、17:00開演
料金;¥6,000(税込)、1drink別
プレイガイド
チケットぴあ 0570-02-9999 (P:236-743)
ローソンチケット 0570-084-003 (L:74197)
イープラス
問合:HOT STUFF PROMOTION TEL:03-5720-9999
<裏窓からみえるモノ2015~北極星~IN 大阪>
2015年4月25日(土)
大阪IMPホール
17:00開場、18:00開演
料金 ; 前売り¥6,000(税込)/当日¥6,500(税込)
問合:グリーンズコーポレーション 06-6882-1224
●BARKS×TICKET DELI オフィシャルHP先行(先着受付)
[受付期間]
2014年9月2日(火)23:00~9月30日(火)23:59
受付URL:BARKS×TICKET DELI
http://ticket.deli-a.jp/
※本公演の受付は先着受付となります。予定枚数に達し次第、受付終了となります。予めご了承下さい。
※初めてチケットデリをご利用される場合は新規会員登録(無料)が必要です。
ご利用ガイドをご確認の上、お申込みください。
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