D
Daiima
Guest
Finally it's home!
There are 6 pages, including a 4 pages long interview.
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REAL VOICE
Kalafina
命がけのコーラスワーク
マルチ音楽コンポーザー⋅梶浦由記の楽曲を、流麗に、時には凄絶なまでの表現力で描き出す女性ヴォーカルユニット⋅Kalafina(カラフィナ)。アニメツーンを出自としながらも、徐々に幅広い層のリスナーから支持を集め、今や5000人規模のホールを埋めてしまう超実力派である。だが彼女たちは、当初はライブをすることすら想定されといなったという。そんな3人が、ごのコーラスワークは自分たちにしか出来ない。そう言い切れるようになるまでの6年間には、どれほどの壁と苦悩があったことだろう。最前線で戦うアーティストの姿を知るため、3人にファーストコンタクト。その道のいと、2015年に控えた武道館2デイズへの展望まで、じっくりと訊いた。
__________PROFILE
2008年、梶浦由記プロデュースによる劇場版『空の境界』主題歌プロジェクトとしてスタートしたヴォーカルユニット。抜群のコーラスワークと独創的な世界観で、国内外から高い人気を集める。テレビアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』EDや、NHK『歴史秘話ヒストリア』の主題歌なで、それまで歌ってきに楽曲は80曲以上。アルバすはすべてトップ10入りを果たしている。
HP: http://www.kalafina.jp
Twitter: @Kalafina_Staff
Wakana/2006年、FictionJunction WAKANAとして梶浦由記に見出される。包み込むような伸びのある高音が特徴的で、コーラスワークに広がりを与える。
Keiko/FictionJunction KEIKOとして梶浦由記に見出され、2005年から同プロジェクトのアルバムに参加。Kalafinaでは低中音を担当。芯のある凛とした歌声が魅力的。
Hikaru/Sony Musicオーディションにて3万人の中から才能を見出され、2ndシングルよりKalafinaへ。緊張感と透明感が同居した歌声が特徴的で、高音~中音を担当です。
__________今回はKalafinaの進化の軌跡から聞こうと、これまで発表してきたCDをズラリと並べたところ、3人から感慨深い声が上がり、自然とインタビューがスタートした。
Wakana 「たくさんの楽曲を出させていただいているんだなと改めて思いました。デビュー当時はライブをする予定がなかっさユニットでしたが、徐々にライブでは欠かせない曲が生まれて。自分たちの心の変化も1枚ずつに収められているのが、ジャケットを見るだけで分かります」
当初は劇場版アニメ『空の境界』7部作の主題歌を制作するため、梶浦由記によって立ち上げられた音楽プロジェクトであったが、いまや世界中に熱狂的なファンを持つ実力派ヴォーカルユニットに成長したKalafina。そんな彼女たちの音楽は、実に独創的だ。曲によって民族調の音色に(ケルト調からエキゾチックなものまでと多種多様)、ロックなギターサウンドやテクノサウンドなどが入り混じる。アルバムを重ねる度に進化している印象だが、3人の中でのKalafina像は、実はあまり変わってないとのこと。
Keiko 「梶浦さんの作る音楽も一貫していますし、自分たちがそれに見合うようにパファーマンス、コーラスワークを重ねていくという意味では変わってないんです。ただ最初に比べると広がりは感じています。梶浦さんからKalafinaについて可かを言われることはほとんどないのですが、“歌う”という部分では常にクールでいてほしいとおっしゃっていました。MCで自分たちを作る必要はないけれど、めちゃくちゃキツいコード感の3声でも、“余裕です”って顔をして歌ってほしいと。なかなか至難の業です(笑)」
難易度の高い楽典を、クールに表現すること。それがKalafinaのコンセプトのひとつなのかもしれない。また、Kalafina=神秘的な歌声、という印象もある。本人たちは自分たちの歌声をどう分析しているのか。
Hikaru 「3人の声が金然違うから、そう思っていただけるのかなと。みんながクラシカルな声だとしたら、ジャンルは“クラシカル”になっちゃうけど、Wakanaがクラシカルに歌って、私がJ-POP風に歌う。そして、Keikoがそのどっちにも対応して幅を広げていくなど、3つの声や組み合わせあるからこそ、1曲のなかで様々な面が見るられるんがろうと思います」
Wakana 「本当に、3人とも個性はバラバラで。梶浦さんが集めてくれた3人ですけど、当初は周囲から“この3人の声は金然違いますけど、この声で合うんですか?”という疑問もあったそうなんです。でも“大丈夫です”って梶浦さんも、事務所のかなも信じてくれて。その気持ちを忘れずに、3人だからうこそ声える曲を届けたいと思っていて。“他の人には歌わせない、できないわ”っていうくらい誇りを持ってるときは、“すごいだろ”ってドヤ顔ですもん」
Keiko「ふふふ(笑)。神秘的なイメージを持ってもらえるということは、無限大に想像が膨らんでいるってことじゃないですか。もしかしたら、想像以上のことがKalafinaの音楽にはあって、知らなかっな世界やハーモニーがあるから、不思議に感じてくれるのかもしれません。哲学的な歌詞も多いですしね。そういう風に感じて下さっなかながライブに来て下さると“こんなに親近感がある人たちなんだ”って驚かれるみたいです(笑)」
不思議な感じと言えば、Kalafinaを語る上で欠かせない“梶浦語”と呼ばれる造語である。ミステリアスな響きの言葉が多いが、どう指示されているのだろう。
Wakana 「ローマ字読みで歌い上ばます。いまだに、友達にも“あれは何語なの?”って聞かれることがあるんです(笑)。私何人の場合だと、いかにそこで盛り上げるのかを大事にしています。日本語だとアクセントが大切になってきますが、造語の場合、その世界観のなかで自由に歌えるから楽しいんです」
Keiko 「造語って楽器の一部みたいな感じなんです。ライブでは私にちもバックで鳴ってる旋律を感じながら歌っているので、抑揚をつけたくなったり、後ろの誰かの楽器と対になりたくなるんです。みんなが盛り上がってくれるので、私たちも気持ちが上がってくる。一緒に楽器を鳴らしている、音楽をやっているという感じがして、純粋に楽しい」
3人の会話から、歌うことに対して充実感に満ち溢れていることが伝わってくる。しかし、実は「最近まで、それぞれもがいていた」と語る。
Keiko 「3人とも悩んでいる時期が違うのが面白いところなんですけど、6月のライブで(Kalafina “君の銀の庭” Special LIVE 2014 / TOKYO DOME CITY HALL)3人が初めて同じような感覚になっになと思っているんです」
Hikaru 「3人で話し合って、壁を乗り越えて。それを繰り返したことによる6年間があって、やっと足並みがそろったというか。自分は2人に早く追いつこうとしてやってきた日々だったので、やっと同じラインに立てた気がしています」
ここで、“それぞれのターニングポイント”を本音で語ってもらった。
Wakana 「私は『After Eden』の時期でした。『Kalafina Record』(パーンナルブック)を作ったときで、どうしたらKalafinaという音楽として、自分を確立できるのかという部分で悩んでいて。特に1曲目の『Eden』は、梶浦さんにも怒られた1曲。“もって歌えるはず”って信じてくれていたんですよね。ライヴでもすごく緊張しましたし、でもそのなかで、みんながいてくれれば歌えるんだっていう安心感や、ふたりに支えられているということにも気づいて、感謝が溢れました」
Hikaru 「いちばん苦しかったのは『Red Moon』の時期です。『空の境界』という作品から飛び出して、自分をどう表現していけばいいのか。自分の技量が足りなくて、出しない声が出なくて、すごく悔しかった。それでも来てくれるかたに、精一杯を届けたいなという気持ちがあっての『Red Moon』ができて……それを乗り越えての今ですね」
Keiko 「私も『Red Moon』あたりかな。Kalafinaの正解が分からたい時期で、“私はKalafinaに不向きなんじゃないか”って思っていました。音楽性というよりは人間性として、Kalafinaのイメージと自分が合ってないのかなと自問自答していて、常に悩みながら突っ走ってて。私だけでなく、みんながKalafinaというものに悩んだ時期だったと思います。個人的に、思った歌声が出せないと悩んだのは『Consolation』ツアーのとき(2013年6月から15公演)。そういうことが今までなかったので、自分がいちばん戸惑ったというか……声が出なくなっちゃったんです。メンタルが理由って信う人もいれば、そのメンタルの影響で呼吸がうまくできなくて声が出ないんじゃないかと信われたりもしたんですけど、自分に認識が無かったぶん、悩んだ時期でした。でも3か月くらいで終わったかな」
壁にぶつかったときは相談し合うのかと思いきや「自分の悩みは言わないし、悩んでいることに気づいてても聞かない」とHikaru。絆を感じ合っているからこそできる思いやりなのだ。実は取材日にKeikoの喉の調子が優れなかったのだが、それをフォローするようにKeikoの意見を2人が代弁するといった様子も多々見受けられた。特別なことではなく自然なことなのだろう。「いい関係性で、それはずっと変わってない」と3人ともニッコリ。
Hikaru 「自分の壁は自分で乗り越えるという気持ちが大きいです。それに、言葉で何かを説明しなくても、歌声で分かるので……」
Wakana 「自分が歌えないと“私、その部分にどれだけ命をかけてきたの!?”って、悔しい気持ちになりますね。本当に、お互い声ですぐに分かるし、迷惑をかけているという気持ちもあるので、そうなったときの対処をそれぞれ心得ています。常に完璧を目指したいんです」
ひとつずつ葛藤を乗り越えて、自らの歌声に磨きをかけてきた3人。足並みを揃えて、新しい季節へと進んでいく。11月1日は東京国際フォーラムはて開催された『Kalafina LIVE TOUR 2014』では、バンド+ストリングスという編成に、アコースティックで弦のカルテットが加わるなどのサウンド的チャレンジもあり、素晴らしいライブてあった。
Keiko 「さまざまなチャレンジをしてみたいと思って、それが具現化したのが、今回のアコースティックのコーナー。アコースティックライヴを聴きに来られなかった人にすれば弦のカルテットを聴くぼは初めてのことで。私たち自身もすごく楽しかったですね。あの日のライヴで“挑戦できることはまだまだあるんだね”ということを感じました」
ここで11月19日に発売されたばかりのニューシングル『believe』(『Fate/stay night』 エンディングテーマ)についても教えてもらった。
Keiko 「タイアップ曲はストーリーに寄り添ったものになっているので、メロディも作品のイメージに合ったものになっています。レコーディングのときは、“believe”という信じる気持ちをストレートに歌いました。分かりやすい曲でもあるので、想いが込めやすかったです。」
Wakana 「先日のライヴで披露させていただいたんですが、アニメがと前奏が短いバージョンにたっているので、弦の音から始まる部分をライヴで聴いてもらえてよかったです。生で聴くとよく分かるんですけど、アッパーにスタートするんですが、すごくゆったりと歌うんですよ。そのギャップを楽しんでましいですね。個人的には、“fight your fate”という言葉をしっかり聴かせたいという気持ちがありました。梶浦さんがアニメのタイトルを盛り込むのはとても珍しいことだと思ったので、ここはしっかり届けたいなと」
2曲目『in every nothing』は、リズム感の強いエネルギッシュな1曲。ライヴで覚醒しそうなナンバーだ。
Hikaru 「リズムと言葉遊びで、すごくバワーのいる曲。ずっと“ある”、“無い”と言ってる曲なんですけど、“無い”のところに、物凄く力が入っています。レコーディングでは言葉を置いていくイメージで歌っていますした。哲学的なことを歌っていますが、それがスッと入ってくるようにしたかったんです」
Keiko 「グルーヴで楽しんでもらいたい曲。考えることが好きなので、こういう哲学的は歌詞がくるとすごく楽しくて。音としてお客様に楽しんでもらいたい気持ちもあるし、生きていく上での“ある無し”考える時間になったら嬉しいですね」
そこから一転、3曲目『lapis』は、ゆっくりとしたリズムの上で、3人の声が紡がれる穏やかで優しい曲で、このギャップがさすがだ。
Wakana 「この2曲は正反対で、『in every nothing』は“起きろ!”って感じの曲ですけど、『lapis』は“どうぞ寝て下さい”と柔らかくなでられているような気持ちになる曲。声を聴く1曲で、歌詞もすごく可愛らしくて女性的です」
Keiko 「ループしている音があるんですけど、それが人間の脳に“寝なさい”と指示しているような感じと言うか。何歌のときから眠りそうで危なかったんです(笑)。歌い上げるというよりは、目の前にいる人に語りかけるように読んでます。“夜”というワードが出てきてますし、1日の終わりに聴いて、すこしリラックスしてもらえたら」
カラーの違う楽曲を収録することはシンゲルでは決して珍しくないことだが、それはどまでに表現豊かな作品も珍しい。
Keiko 「男性的な目線かもしれませんが、シングルは毎回“勝負”という気持ちがあります.今までやってきた音楽の幅をこの1枚で出せたんじゃないかなと」
Keikoの言葉を借りるなら、今回のジャケットも“勝負”を感じさせる。というのも、ここまでアップと映ったジャケは初。3人とも口を揃えて「攻めたよねぇ」と笑う。
Hikaru 「8月にリリースしたシングル『heavenly blue』は期間生産限定盤だったので(ベストアルバムにも収録)、それを考えると今年初シングルと言ってもおかしくない作品なんです。だからこそ勝負に出ました」
個人的な感想として「3人がヴォーカリストとしてより言葉の表現に自覚的になったようになったように感じる」と伝えると嬉しそうな表情。
Keiko 「Kalafinaはコーラスワークが一番とされてきたので、今まではそこに3人とも意識があったんですが、6年やって、コーラスワークのピッチは当たり前のことと置いた上でーーどういう風にお客様に言葉を伝えたいかを最近は意識してます。私は誰より近くで歌を聴いている分、2人が考えていることが伝わってくるんです。3人の意識がひとつになることで史上最強のコーラスワークがでまあがって、もうワンランク上に行けると思っています。今は3人とも言葉に意識を持っている時期ですね」
歌い手として1歩先に進んだことなそれぞれが実感しながら、来年の2月28日、3月1日、日本武道館の舞台に立つ。今の心境はどうだろう。
Hikaru 「6月のライヴで3人の足並みがそろって、ツアーをやってみて、見えたものを武道館に持っていこうとしています。それをこれから練っていくところですけど、当日見えるものがあると思うので、それを楽しみにしています。ここまで連れてきてくれたのはお客様なので、お客様と一緒に楽しみたい」
Keiko 「今までやってまたことだけじゃ足りないので、3人で減茶苦茶準備する思います。この間の国際フォーラムでできたことと、できなかったことっていうのを3人で把握して、まずできなかったことをできるようにして、それプラス新しい挑戦をできたらなと思っています」
Wakana 「武道館2デイズは『Red Day』、『Blue Day』と銘打っていますが、どちらに来てもKalafinaを思う存分感じてもらいたい」
そう表情を引き締める3人。きっと、これ以上ないステージを見せてくれるだろう。ところで、先日の東京国際フォーラムで久しぶりにライブを観させてもらった身としては、表現力の進化はもちろん、客層の広がりに驚いた。子供連れの親子も多く「アンケートで6歳の子がKalafinaになりたいって書いてくれていて嬉しかった」とHikaru。そのままアンケートの話題となったのだが、彼女日の言葉から、Kalafinaの音楽にリスナーの存在が密接な繋がっていることが伝わってきた。
Keiko 「アンケート、かなり読むんですよ。なぜそこまで読むかと言ったら、CDやビジュアルは私たちが発信するものですけど、ライブはお客様のものだから、お客様と一作っているんです。楽曲を愛して下さる方からいただける意見はすごく貴重て、責からアンケートを踏まえて活動してるところがあります」
Wakana 「Kalafinaってイベンターさんがビックリするくらいアンケートの回収率が高くて、今回のライブも4人に1人くらいの方が書いてくれていたんです。嬉しいですね。希望や要望を書いてくれるかたが多くて、裏を返せば“そうあって欲しい”と思っていることを書いてくれてる。大事な意見です」
Hikaru 「ライブが終わったあとの感想を紙に書いてくれるって凄いことだと思うんです。だからこそ自分たちも気持ちを読み取って、次のライブで返していきたいですね」
__________INFO
Kalafina初の日本武道館2days、ワンマンライブが決定!
「~Kalafina LIVE THE BEST 2015 “Red Day” & “Blue Day”~」
“Red Day”/2015年2月28日(土)
“Blue Day”/2015年3月1日(日)
問:キョードー東京0570ー550ー799
(平日11:00ー18:00/土・日・祝10:00ー18:00)
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