george1234
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August 12, 2013
初恋
twitterでこんな事を呟いていたんですが。
>Paul McCartneyは私の音楽的な意味での初恋だなあ。
>歌詞にハマって激読みしたのもBeatlesが初めだったし、
>歌詞のありようと言うか……
>そんな所もかなり影響受けているんだろうなと思います。
>他にハマったアーティストは多々あれ、Beatlesほど溺れた(笑)アーティストは
>他にいないなあ。歌詞約 200曲、2年かけて覚えたしw。そういう意味で私の中で
>別格なんですわ。当時まだ小学生だし、チャート追いかけるような知恵もない
>頃だったってのもある と思うけれど。
つぶやき足りなかったのでこちらでも書いてみる(笑)。
以前どこかで何かの際に言った気もするんですが、
「nowhere」という言葉にはBeatlesの歌詞で出会ったんですが、
この言葉に合った時に衝撃を受けたんだよね。
当時小学3〜4年生くらいだったのかなあ、まだ英語なんて欠片も習っていないころで、兄が買った「Beatles全訳詞集」という英語歌詞と対訳が載っている文庫本があって、それと辞書を使いながら何となく歌詞を追いかけ始めていたんですけれど、
Beatlesに「nowhere man」という名曲がありましてね。
まあそれがいい歌詞なんだけれど、それ以上に
「nowhere」という単語の存在が当時の私には衝撃だった。
どこにもない、という意味の単語があるなんて……。
それはこういう事でもあったと思う。
「nowhere man」→どこにもいない男
あれ、違う、何かがちょっと違う……。
辞書を調べれば同じ意味の筈なのに、何かが自分の中でしっくり来ない。
そうか、nowhere=どこにもない、ではないんだ、
nowhere≒どこにもない、なんだな。
「訳」というのはあくまで「解りやすい言葉に置き換えたもの」であって、
loveはloveであり愛ではない。愛は愛でありloveではない。
一つの言語の単語というのは、おそらくその民族の歴史をも含めて、
それだけ深い意味を持っているものなんだ。
言葉ってすごい。
当たり前の事なんだろうけれど、幼い私にとってそれは「発見」でした。
何だかもう無性に、感動した訳なんですよ。
英語は勿論、日本語の単語一言一言が、いっそう愛しく感じられるようになった。
そして、「nowhere」という意味あいの言葉が
一つの単語として存在する英語って一体……。
それから俄然Beatlesの歌詞に興味が滾りまして、
一曲一曲をカードに書き写して、通学のバスの中や休み時間や寝る前や、
何かにとりつかれたように片っ端から覚えた(笑)。そんな小学生時代でした。
英語は全く分からなかったけれど、当時ドイツにいたのでドイツ語は多少喋れたし、
アルファベットには慣れていたのはまだ幸いでした。あとは音源を聞きながら
「えっkindってこういう発音なのか!」(ドイツ語にも同じスペルの単語があるけれど意味も発音も全く違う)なんて驚いたりしながら。何だか懐かしい(笑)。
そう、私の歌詞にたびたび出てくる「nowhere」という言葉は、
完全にこの時の衝撃の影響を受けている訳です(^_^:)。
Beatlesに夢中になるまえにハマっていたオペラや歌曲を別として、
「ポップスの歌詞」なるものに始めて触れたのはBeatlesだったし、
その後2年ほどはこの人たちの歌詞ばかり追いかけていたので、
「歌詞ってこんなもの」的な意味での影響も随分受けていると思います。
ご存じの方も多いでしょうが、beatlesの歌詞ってかなり幅が広いんですよ。
主に初期の「彼女最高!」的なものから、中〜後期の幻想的なものとか。
そしてふいに、本当にシンプルな愛の歌に立ち返ったりもする。
色々な意味での「若さ」も存分に溢れている。
歌詞って何でもアリ、的な意味での影響は随分受けたと思う。
そして、行間に想像力の余地を残す事の意味合いも教えて貰った気がする。
Beatles、Wings時代のPaulのメロディーには、
今でも私のメロディーの理想だなあと思える曲が何曲もあります。
シンプルにして端的、つい口ずさみたくなるリアルポップス。
ある意味歌謡曲的ロック。明るいのに哀愁があり聞き飽きるという事が無い
無駄な作為や小技を感じさせない、メロディーofメロディー。
そしてソングライターならでは、
歌を聴かせるけれど押しつけない、メロディーを奏でる、
彼の歌は本当に、「上手い歌」とはこういうものだと思う。
……勿論、幼い頃に感じた「感動」が色々底上げしている部分もある。
でも構わないんです、音楽ってそういうもの(笑)。
問題は、いつ聞いてもいいな、素晴らしいな、と思える音楽が
胸沸き血がたぎり幸せになっちゃう音楽が
自分の中に存在してくれているという有り難さ。
出会えたタイミング、色々なものを含めて永遠に愛してる。
そんな忘れがたき初恋の話でした!